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Rizaal, M.; 中島 邦久; 斉藤 拓巳*; 逢坂 正彦; 岡本 孝司*
ACS Omega (Internet), 7(33), p.29326 - 29336, 2022/08
被引用回数:3 パーセンタイル:27.64(Chemistry, Multidisciplinary)Here we report an investigation of the gas-solid reaction between cesium hydroxide (CsOH) and siliceous (calcium silicate) thermal insulation at high temperature, which was postulated as the origin for the formation mechanism of cesium-bearing material emitted from the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant. A developed reaction furnace consisting of two heating compartments was used to study the reaction at temperatures of 873, 973, and 1073 K. Under the influence of hydrogen-steam atmospheric conditions (H/HO = 0.2), the reaction between cesium hydroxide vapor and solid thermal insulation was confirmed to occur at temperatures of 973 and 1073 K with the formation of dicalcium silicate (CaSiO) and cesium aluminum silicate (CsAlSiO). Water-dissolution analyses of the reaction products have demonstrated their stability, in particular, the CsAlSiO. Constituents similarity of the field-observed cesium-bearing materials near the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plants with CsAlSiO suggests for the first time that gaseous reaction between CsOH with calcium silicate thermal insulation could be one of the original formation mechanisms of the cesium-bearing materials.
Rizaal, M.; 中島 邦久; 斉藤 拓巳*; 逢坂 正彦; 岡本 孝司*
Journal of Nuclear Science and Technology, 57(9), p.1062 - 1073, 2020/09
被引用回数:8 パーセンタイル:70.65(Nuclear Science & Technology)福島第一原子力発電所2号機においてペデスタル内よりもペデスタル外で線量が高くなっている現象が見つかっている。この線量の上昇については、原子炉格納容器内の配管に使用されている保温材(ケイ酸カルシウム)がガス状あるいは粒子状となって沈着したセシウム(Cs)と化学反応を起こして固着するとともに破損してペデスタル外に堆積することで線量が上昇した可能性があると考えている。そこで、本研究では、化学反応の有無を調べるため、反応温度等を調べることのできる熱重量示差熱分析装置(TG-DTA)を用いて、水素-水蒸気含有雰囲気下、最高1100Cまで温度を上昇させて、主なセシウム化合物の一つである水酸化セシウムと保温材との混合物に対して分析を行った。その結果、575-730Cの範囲で反応が起こり、試験後試料のX線回折パターンや元素分析機能付き走査型電子顕微鏡(SEM/EDS)による試料表面の元素分布の結果から、保温材の構成物質であるケイ素(Si)に加え、不純物として含まれるアルミニウム(Al)と安定な化合物(CsAlSiO)を形成することが分かった。したがって、ペデスタル外で見つかった高線量の原因として、保温材が関係する可能性があることが分かった。
井上 多加志; 柏木 美恵子; 谷口 正樹; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 渡邊 和弘; 坂本 慶司
Nuclear Fusion, 46(6), p.S379 - S385, 2006/06
被引用回数:35 パーセンタイル:74.41(Physics, Fluids & Plasmas)ITERに向けた静電加速器R&Dの目的は、大電流密度の負イオンを1MeVまで加速することである。原研MeV級加速器は、従来のクランプ理論やパッシェンの法則をMV級高電圧,長真空ギャップ領域に外挿して設計されている。さらに、絶縁物表面の沿面放電防止には、大型電界緩和リングによる陰極接合点の電界低減が効果的であった。これら真空絶縁技術により、真空絶縁型加速器で1MVを8,500秒間安定保持することに成功した。バイトンOリングのSFガス透過、並びに逆流電子によるポート損傷と真空リークを止めることにより、負イオンの表面生成が持続・促進され、カマボコ型負イオン源の高出力(40kW)運転時に電流密度が飽和することなく増加した。この結果、電流密度146A/m(全負イオン電流:0.206A)の負イオンビームを836keVまで加速することに成功した(パルス幅:0.2秒)。これは、ITERで必要とされる高出力密度負イオンビーム(1MeV, 200A/m)を世界で初めて実現したものである。さらに本論文では、EGS4コードを用いて制動X線の発生量を見積もり、光電効果による放電破壊の可能性を議論する。
井上 多加志; 花田 磨砂也; 柏木 美恵子; 西尾 敏; 坂本 慶司; 佐藤 正泰; 谷口 正樹; 飛田 健次; 渡邊 和弘; 発電実証プラント検討チーム
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1291 - 1297, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.11(Nuclear Science & Technology)核融合発電実証プラント用中性粒子入射装置(NBI)について、発電実証炉で要求される性能を議論し、その実現への技術課題を検討した。大型プラズマの加熱・電流駆動を担う発電実証プラントのNBIは、これまで以上の高効率,高エネルギー,高信頼性・長寿命化が要求される。加速器には、高効率・高エネルギーの点から、静電加速方式の選択が現実的である。放射線環境での運転を考慮すると真空絶縁が不可欠であり、その設計ガイドラインから、ビームエネルギー1.52MeVが可能であることを示した。負イオン源の信頼性向上,長寿命化ためには、従来の大電流・高電流密度負イオン生成技術に立脚した、フィラメントレス・セシウムフリー負イオン源の開発が必要である。さらに、NBIシステムの効率を決める中性化方式については、従来のガス中性化(効率60%)では要求性能を満足し得ず、中性化効率80%以上のプラズマ中性化等が必要となる。最近、高効率・連続運転の可能な高出力半導体レーザーが製品化されており、これを用いて中性化効率90%以上を実現するレーザー中性化セルの概念を提案する。
井上 多加志; 谷口 正樹; 森下 卓俊; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 今井 剛*; 柏木 美恵子; 坂本 慶司; 関 孝義*; 渡邊 和弘
Nuclear Fusion, 45(8), p.790 - 795, 2005/08
原研では、1MeV加速器と大型負イオン源の開発を推進してきた。本論文はITER NBシステムの実現に向けた1ステップである、以下の開発の進展を報告する。(1)加速器開発:耐電圧性能の向上により、Hイオンの1MeV級エネルギー加速試験が進展している。1MeV, 100mA級Hイオンビームを実用規模である100A/m程度の電流密度で発生しており、イオン源の調整により、電流密度のさらなる増大が見込まれる。(2)大型負イオン源開発:既存負イオンNBシステムにおいては、負イオンの空間一様生成がNB入射性能を左右する要因となっている。本研究では、磁気フィルターから局所的に洩れ出た高速電子が負イオン源引き出し領域に生成した負イオンを破壊していることを明らかにした。本論文では、幾つかの対応策とその試験結果についても報告する。
井上 多加志; 谷口 正樹; 森下 卓俊; 大楽 正幸; 花田 磨砂也; 今井 剛*; 柏木 美恵子; 坂本 慶司; 関 孝義*; 渡邊 和弘
Nuclear Fusion, 45(8), p.790 - 795, 2005/08
被引用回数:23 パーセンタイル:59.5(Physics, Fluids & Plasmas)本論文では、ITER NBIシステムを実現するために原研が行ってきた、1MeV加速器と大型負イオン源の開発研究に関する以下の成果を報告する。(1)加速器開発:耐電圧性能の向上により、HイオンのMeV級加速試験が進展した。これまでに、1MeV, 100mA級Hイオンビームを実用規模である100A/m程度の電流密度で発生しており、イオン源運転条件の調整により、さらなる電流密度の増大が見込まれる。(2)大型負イオン源開発:従来、大面積引き出し面上に生成する負イオンの一様性が問題となっていたが、本研究により、磁気フィルターから局所的に漏れ出た高速電子が負イオン引き出し部に生成した訃音を破壊していることが明らかになった。本論文では、高速電子漏洩の遮断による一様性改善の結果を報告する。
井上 多加志
JAERI-Research 2005-006, 87 Pages, 2005/03
国際熱核融合実験炉ITER用中性粒子入射装置(NBI)実現の1ステップとして、高出力の負イオン源と加速器を開発した。負イオン表面生成の理論的検討から、体積/表面積比を最大化して高密度水素原子生成を実現するカマボコ型負イオン源を開発した。さらに、高速電子(Te1eV)による負イオン損失を抑制し、かつ水素原子の負イオン引き出し領域への拡散を妨げない「外部磁気フィルター」を装着し、低ガス圧力(0.3Pa)においてITERの要求性能を上回る高電流密度(300A/m)のHイオン生成を達成した。ITER加速器では放射線誘起伝導によりSF等の絶縁ガスを使用できないため、真空絶縁技術の開発を行った。加速器運転中の圧力は0.020.1Paとなることから、真空アーク放電並びにグロー放電の絶縁設計ガイドラインを策定し、真空絶縁加速器を設計した。加速管の沿面放電防止のために陰極接合点の電界を低減し、1MVを安定に保持できる真空絶縁のMeV級加速器を開発した。これまでに900keV, 80A/mのHイオン(全電流値:0.11A)を数百ショット加速することに成功し、ITER NBIの実現に向けた見通しを得た。
濱田 一弥; 中嶋 秀夫; 奥野 清; 遠藤 壮*; 菊地 賢一*; 久保 芳生*; 青木 伸夫*; 山田 雄一*; 大崎 治*; 佐々木 崇*; et al.
JAERI-Tech 2002-027, 23 Pages, 2002/03
国際熱核融合実験炉(ITER)の建設判断に必要な技術を実証することを目的として、1992年から工学設計活動 (EDA) が日本,欧州連合(EU),ロシア,米国の国際協力によって進められた。このEDAでは、各種の先端的機器の製作技術開発が行われ、ITERで必要とされる製作技術の実証と技術目標の達成に成功し、2001年7月に終了した。そして、現在、ITER計画は建設に向けた新たな局面へと進んでいる。ITERの超伝導コイル・システムは、トロイダル磁場(TF)コイル,中心ソレノイド(CS)コイル,ポロイダル磁場(PF)コイル,及び不整磁場補正コイルの4種類からなる。これらのコイルの内、CSコイル及びTFコイルは、これまで経験したことのない大型かつ高性能なコイルであるため、EDAにおいて、それぞれCSモデル・コイル計画及びTFモデル・コイル計画を実施し、製作技術開発及び超伝導特性の実証試験を行った。CSモデル・コイルの製作には、高性能超伝導素線製造技術,大型撚線技術,コイル化技術,熱処理技術,超伝導導体接続技術及び高耐電圧絶縁技術の開発が不可欠である。本報では日本が中心となって開発に成功したCSモデル・コイルについて、以上の製作技術を中心に紹介する。
井上 多加志; Hemsworth, R. S.*; Kulygin, V.*; 奥村 義和
Fusion Engineering and Design, 55(2-3), p.291 - 301, 2001/07
被引用回数:25 パーセンタイル:84.31(Nuclear Science & Technology)本論文はITER EDA期間中に行われた中性粒子ビーム入射(NBI)システムのためのR&Dの成果をレビューしたものである。ITER NBI実現のために不可欠なR&Dとして、本R&D計画では大電流負イオン源と高エネルギー加速器の開発が精力的に行われた。(1)小型カマボコ型負イオン源において、短パルスながら負イオン生成の目標値である280A/m (D )を十分低いガス圧力(0.3Pa)で達成した。1,000秒までの長パルス試験は最終段階にある。(2)加速器開発は高電圧放電の対策に手間取って遅れをきたしたが、EU,JA両国内チームとも、~0.1Pa,長ギャップでのMeV級耐電圧試験を行い、1MV真空絶縁技術を確立した。(3)負イオン加速では、700-850 keVまでの負イオンビーム加速に成功している。ビーム加速に伴う耐電圧性能の劣化はEU,JA,両国内チームとも観測していない。加速器R&Dは、1MeV負イオンビーム加速の達成に向けて、現在も続けられている。
井上 多加志; Di Pietro, E.*; Mondino, P. L.*; Bayetti, P.*; Hemsworth, R. S.*; Massmann, P.*; 藤原 幸雄; 花田 磨砂也; 宮本 賢治; 奥村 義和; et al.
Review of Scientific Instruments, 71(2), p.744 - 746, 2000/02
被引用回数:17 パーセンタイル:67.86(Instruments & Instrumentation)トカマク型核融合実験炉では、プラズマ加熱と定常運転のために50MW以上の中性粒子ビーム入射が必要である。ITERでは3基の中性粒子入射装置(NBI)に各々1MeV,40Aの重水素負イオンビームを発生する大型イオン源・静電加速器を用いる設計となっている。ITER環境で1MVの高電圧絶縁にSF等の絶縁ガスを用いた場合、放射線誘起伝導(RIC)によってガス中に電流が流れ100kW以上のガス発熱が予測されている。そこでITER用NBIでは真空絶縁方式を検討している。本稿では1MeV静電加速器の開発途上で得られた真空絶縁の実験・解析結果及び設計指針と、それに基づく真空絶縁負イオン源と加速器の設計について報告する。
藤原 幸雄; 井上 多加志; 宮本 賢治; 宮本 直樹*; 小原 祥裕; 奥村 義和; 渡邊 和弘
JAERI-Research 99-071, p.33 - 0, 1999/12
国際熱核融合実験炉(ITER)用中性子入射装置(NBI)の工学設計を行うため、Co線を用いた各種絶縁ガス(空気,SF,CF,CO,空気とSFの混合ガス)に対する照射実験を行った。実験から、飽和電流はギャップ長、ガス圧、吸収線量率ならびにガス分子量に比例することが明らかとなった。耐電圧性能は、線照射により10%程度低下するものの、その程度は吸収線量率に依存しなかった。質量分析器を用いてSFガスの分解生成物を調べたところ、未照射の場合には存在しなかったピークが、m/e=48,64,67,83,86,102,105のところに確認された。また、分解生成物量は吸収線量が高くなるにつれて飽和する傾向があることがわかった。
神村 誠二*; 瀬口 忠男; 岡村 清人*
Radiation Physics and Chemistry, 54(6), p.575 - 581, 1999/00
被引用回数:26 パーセンタイル:85.55(Chemistry, Physical)ケイ素高分子のポリカルボシラ繊維を不活性ガス(He)中で電子線照射して不融化処理し、アンモニアガス中で、1000Cまで焼成する方法により、窒化ケイ素繊維を合成した。アンモニアガス中で焼成した後、窒素ガス中で1000Cから1300Cで処理すると、安定化され、酸化が抑制されて強度が向上した。この窒化ケイ素繊維は1200Cの耐熱性と高い電気絶縁性があり、電線の絶縁に応用した。この電線は可とう性があり、1000Cの高温まで使用できると判定される。
金成 守康*; 阿部 哲也; 榎枝 幹男; 豊田 真彦*; 馬越 俊光*; 清水 克祐*; 森 順二*; 高津 英幸
JAERI-Research 98-029, 23 Pages, 1998/06
プラズマ溶射によってステンレス鋼基材上にNi-Cr中間層を介し形成されたアルミナ電気絶縁コーティング膜(アルミナ膜)の繰り返し衝撃荷重(638MPa)に対する電気絶縁耐久性(耐電圧1kV)を、アルミナ平端面の接触を伴う落錘試験を用いて評価した。繰り返し衝撃荷重に対するアルミナ膜の電気絶縁耐久性は、70,000回以上だった。絶縁破壊に至るまでのアルミナ膜の経時変化を調べるために、所定の回数だけ落錘試験を行った試料について、アルミナ膜表面及び断面のSEM観察を行った。その結果、アルミナ膜厚は、落錘試験開始時228mであったが、衝撃回数に比例して直線的に減少し、その速度は2.43nm/回だった。絶縁破壊時のアルミナ膜厚は落錘試験開始時の約21%であり(約50m)、その断面はアルミナ膜とNi-Cr中間層との混在相を示していた。
吉田 清; 飯田 文雄*; R.Gallix*; S.Sadakov*; R.Vieira*; J.Stoner*; C.Sborchia*
Fusion Technology 1998, 1, p.807 - 810, 1998/00
ITER用超電導コイルのような巨大なインダクタンスでの地絡や短絡は大事故の可能性がある。そのため、エポキシ樹脂を用いた複合材料である固体電気絶縁を採用した。また、クライオスタットを貫通した給電線の電気絶縁を監視する方法を提案する。
井上 多加志; 柴田 圭一郎*; E.DiPietro*; 藤原 幸雄; R.S.Hemsworth*; E.Hodgson*; 飯田 浩正; A.Krylov*; P.L.Mondino*; 奥村 義和; et al.
Fusion Technology 1998, 1, p.411 - 414, 1998/00
ITER EDA開始当初から中性粒子ビーム(NB)システムの放射線解析を行い、適当な遮蔽を組み込んで設計を行ってきた。その結果、(1)超伝導コイルに与える熱負荷は設計許容値以下、(2)クライオスタット内の炉停止後線量は300Sv/h程度であり、緊急時には人のアクセスも可能、(3)絶縁材・永久磁石等機能材料の機械・電気・磁気特性劣化はITERの寿命中には起こらない、ことが判明した。現ITER NBシステム設計の問題点の1つは、高電位(1MV)上におかれるイオン源と加速器を絶縁するガス中に流れる放射線誘導電流(RIC)である。放射線解析の結果、イオン源・加速器周囲の絶縁ガス中で約100kW、高電位給電管中で10kW程度のパワーロスがあることが明らかになった。この結果から、イオン源・加速器周囲の電気絶縁を真空絶縁方式とすること、また給電管中のガスを循環冷却することを提案する。
田口 浩*; 角舘 聡; 中平 昌隆; 伊藤 彰*
J. Robot. Mechatron., 10(2), p.133 - 138, 1998/00
核融合実験炉(ITER)を構成する機器は、いづれも強制冷却型で冷却配管と接続される。このため、これらの機器の保守・交換には、遠隔操作にて冷却配管を容易に着脱できる配管継手が要求される。冷却配管は、炉周辺に配置されることから、配管継手には放射線環境下での信頼性も要求される。また、プラズマ異常消滅時の電磁力を軽減するためには、冷却配管を電気絶縁することが必要となる。このような観点から、冷却配管の機械式継手及び電気絶縁継手の開発を進めてきた。本件では、これらの配管継手の開発の現状について報告する。
杉本 誠; 高野 克敏*; 辻 博史; 阿部 和彦*; 長山 俊毅*; 奥 隆司*
低温工学, 33(11), p.716 - 723, 1998/00
室温では優れた電気絶縁性能を有するアルミナ・セラミックスの極低温機器への応用を目指して、その機械的特性を測定した。セラミックス絶縁継手は、その構造から金属との接合部を有する。これは通常、銀ろう付けされている。この強度を測定するとともに、アルミナ・セラミックスの強度を測定した。強度測定の温度は4.2K,77K,室温である。測定の結果、4.2Kでのアルミナ・セラミックスの引張強さは、室温のそれに比べ若干増加した。また、4.2Kでのアルミナ・セラミックス(純度95%)と銅のろう付け強度が、最も良好な値(270MPa)を示した。銀ろう部に発生する応力を評価するために、有限要素法による解析を併せて行った。試験した結果をもとに、アルミナ・セラミックスを用いた電気絶縁継手を試作した。試作の結果、この電気絶縁継手は極低温への適用に十分な機械・電気的性質を有することを示した。
中平 昌隆; 岡 潔; 田口 浩*; 伊藤 彰*; 深津 誠一*; 小田 泰嗣*; 梶浦 宗次*; 山崎 誠一郎*; 青山 和夫*
プラズマ・核融合学会誌, 73(1), p.54 - 68, 1997/01
核融合炉炉内機器の遠隔保守では、ブランケット・モジュール及びダイバータ・カセットの保守・交換に伴い、厚板及び冷却配管の溶接、切断及び溶接部検査、炉内機器及び遠隔機器輸送時の放射化物飛散を防止するための二重シール扉などが要求され、遠隔操作に対応したこれらのツール/機器の開発が急務である。本件は、国際熱核融合実験炉(ITER)におけるダイバータ及びブランケット等の炉内機器の保守に関して、主に日本ホームチームが分担して設計・開発を進めてきたこれらの遠隔保守ツール/機器の現状と今後の計画について述べる。
藤原 幸雄; 花田 磨砂也; 井上 多加志; 宮本 賢治; 宮本 直樹*; 小原 祥裕; 奥村 義和; 渡邊 和弘
Proc. of Joint Meeting of 8th Int. Symp. on the Production and Neutralization of Negative Ions & Beams, p.205 - 215, 1997/00
現在進められているITER工学設計では、装置のコンパクト化を図る目的でイオン源と加速器の周囲に絶縁ガスを充填することが検討されている。一方、核融合装置は強力な放射線発生源となるため、絶縁ガスの使用にあたっては放射線の影響を考慮しなければならない。本研究では、コバルト60線を用いた絶縁ガスへの照射実験を行い、高電圧環境下の各種絶縁ガス(SF,CF,CO,空気,SFと空気の混合ガス)に対する線の影響を調べた。絶縁ガス中を流れる電離電流は、ガスの体積、ガスの圧力、吸収線量、ガスの分子量に比例することが明らかとなった。また、線照射による絶縁破壊電圧の低下は高々10%程度であった。
小野塚 正紀*; Tsujimura, Seiji*; 豊田 真彦*; 井上 雅彦*; 阿部 哲也; 村上 義夫
Fusion Technology, 29(1), p.73 - 82, 1996/01
被引用回数:9 パーセンタイル:62.03(Nuclear Science & Technology)核融合実験装置へ適用可能な電気絶縁性および導電性を有する膜の大面積コーティング技術の開発を行った。ここでは、コーティング手法として、大面積コーティングが可能な溶射法をとりあげた。電気絶縁膜としては、AlO(アルミナ)膜を、導電性膜としては、CrC-NiCrおよびWC-NiCr膜をそれぞれ選択した。これらの電気絶縁性および導電性膜をSUS基板上にコーティングし、膜の密着性, 耐熱衝撃性, 電気抵抗, 絶縁耐電圧および熱伝導率を測定した。その結果、核融合装置用として使用できる充分な電気絶縁性および導電性を有していることがわかった。